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(第12回より続く)¶001

Ⅻ 電磁的記録についての書証に準ずる証拠調べ

1 総論と問題提起

笠井ここから、証拠調べに関する改正に入っていきます。まず、電磁的証拠についての書証に準ずる証拠調べです。民事訴訟法231条の2・231条の3が追加され、電子契約書とか電子カルテ、電子メール等が思い浮かびますけれども、電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べを申し出る際の証拠申出者による提出、それから文書提出命令及び文書送付嘱託に応じたそれらの内容の提出が電子データを用いる方法によってされることになります。なお、これに応じて、再審について民事訴訟法338条1項6号、手形訴訟について352条が改正されています。既に座談会で取り上げましたように、これは12、連載第2回・第3回の部分ですけれども、各種の申立てがインターネットを用いてすることができるようになり、訴訟記録も電子化されます。そのことからすると、この電磁的記録の証拠調べに関する改正は必然という感じもしますが、元の電磁的記録との関係で言うと、提出されたデータは原本ではなく写しであるようにも思いますし、データ提出の方法との関係では裁判所のシステムの仕様なども興味深いところです。解釈論としては、「電磁的記録を利用する権限を有する者」というものが従来の「文書の所持者」という概念とどういう関係に立つかといったあたりも問題となりそうです。他の点もいろいろと問題提起をしていただくところがあろうかと思います。これについてこれから議論をします。まず、脇村さんから法制審の部会での審議の状況や、改正規定の内容と趣旨等について御説明をお願いいたします。¶002