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事実
Ⅰ
飼料添加物メーカーであるY(被告)は、東京都中央区の本社のほか、兵庫・群馬・栃木・宮崎の各県に4つの製造工場と5つの事業所等を設置している。Yにおいては、労働者の雇用管理区分として、有期労働契約を締結した「嘱託社員」、期間の定めのない労働契約を締結した「年俸社員」および「社員」の3種類があった。このうち「社員」は、平成20年4月1日改定のY職能資格規程では総合職(全国・地域)と担当職からなる3コース制、平成27年4月1日の同規程改定以降は総合職、専門職、一般職の3コース制であった。平成25年には、嘱託社員から年俸社員、年俸社員から担当職(のち一般職コース)社員への登用制度が設けられ、登用試験の年齢上限は前者は40歳、後者は55歳、回数制限はいずれも2回とされた。平成31年4月時点で、嘱託社員から年俸社員への登用は3名、年俸社員から一般職コース社員への登用は33名の実績があり、兵庫県にあるY龍野工場の一般職コース社員11名のうち5名は、年俸社員からの登用試験合格者であった。¶001