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事実
Ⅰ
Y(被告・被控訴人=控訴人・被上告人)は社会福祉法に基づき滋賀県に設置された社会福祉法人であり、Aセンターを運営していたB財団法人の権利義務を平成15年4月に承継した主体である。Aは、福祉用具について、その展示及び普及、利用者からの相談に基づく改造及び製作並びに技術の開発等の業務を行うものとされており、B及びYが県から委託を受けて、あるいは、その指定管理者として、当該業務を行っていた。¶001
Ⅱ
自然人X(原告・控訴人=被控訴人・上告人)は、ガス溶接作業主任者など各種の資格、免許を有していたところ、平成13年3月、Aの当時の所長Cから、溶接ができる機械技術者を募集しているとの理由で、Aでの勤務の勧誘を受けた。Xは、Aでの勤務のためBの採用試験を受け、Bに、Aにおける福祉用具の改造及び製作並びに技術の開発(以下、「本件業務」という)に係る技術職として、同年4月に採用された。Xは、同15年4月にBの権利義務がYに承継された後も従前と変わらず本件業務に係る技術職として勤務し、同31年3月末まで、そうした勤務を18年間続けていた。この間、XはAで溶接ができる唯一の技術者であった。¶002