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事実

X(原告)は、平成27年7月1日、大手商社であるY社(被告会社)に入社し、飼料原料課のトウモロコシのデリバリー業務などを担当した。Xは、海運会社である訴外Aへの転職を決意し、Y社に対して令和2年3月末日に退職する意向を伝えた。Xは、同日付で自己都合退職した場合、Y社の退職者を対象とする企業年金基金であるY基金(被告基金)から脱退一時金として合計302万7100円が支給されることとなっていた。¶001

Y社では、アプリケーションやOSの起動、データ保存などのほとんどの処理をサーバー側で行うシステムを構築し、Y社が従業員に貸与する端末に、サーバー上の仮想デスクトップおよびアプリケーションを配信していた(「Y社内システム」)。Y社は、Xら従業員に対し、インターネット経由でアクセスするクラウドストレージ「Box」にアクセスする権限も付与していた。¶002