Ⅰ はじめに

グローバル・サプライチェーン(GSC)の企業活動がもたらす負の影響に強い関心が寄せられるなか、2022年9月、政府は「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(以下、「2022年ガイドライン」)を公表した1)。サプライチェーンにおいては、契約関係で結ばれた関係者や、さらにその先の関係者の生産、雇用等について、サステナビリティに配慮した行動がとられることが要請される。そのためには、契約を通じてチェーンにおける取引関係が全体として適切に行われるための仕組みが必要になると考えられる。そこで2022年ガイドラインは、「ビジネスと人権」の視点から契約をとらえなおすことを狙いのひとつとしている。