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Ⅰ はじめに
「ビジネスと人権」に関する指導原則が指摘するように、企業は国際的に認められた人権1)を尊重する責任を有する。企業による人権侵害は国家の国際法上の責任を生じさせうるため、国家は企業が人権を尊重するよう確保しなければならない。このような観点から、国際貿易の関連では、2021年6月のG7コーンウォール・サミット首脳宣言や2021年10月のG7貿易大臣会合の共同声明によりグローバル・サプライチェーンにおける人権デュー・ディリジェンスの実施、人権侵害の中でもとりわけ国家が関与する強制労働の廃止に関心が集まっている。¶001