事実

Y社(被告)は、昭和53年6月、A社の100%子会社として設立された。Y社の正社員はすべてA社からの出向者であったが、平成11年3月に独自の社員を採用するに当たり、総合職・一般職のコース別人事制度(本件コース別人事制度)を導入した。令和2年5月までに採用した総合職(計56名)は全員が男性、一般職(計9名)は全員が女性であった。

Y社の給与規定は、総合職を「基幹的業務を行う職種」、一般職を「補助的業務を行う職種」と定め、異なる職能給表(以下、「職種別賃金表」)を適用していた。総合職の賃金表は1等級(2万9000円)~10等級(27万7000円)、一般職は1等級(2万6000円)~5等級(7万5000円)とされ、各等級の最短滞留年数は一般職の方が長く設定されていた。また、同規定には、一般職の従業員が希望し、会社が適当と認めたときは総合職への転換が可能である旨の定めがあったが、転換実績はなく、具体的な基準も定められていなかった。