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事実

Y(被告)は、東京海洋大学(以下「Y大学」という)を設置・運営する国立大学法人である。X(原告)は、平成17年4月からYとの間で、数学の非常勤講師を委嘱する旨の期間1年の委嘱契約を締結し、令和4年3月まで17年間にわたって毎年、同様の委嘱契約を締結した。¶001

Yは、毎年2月中旬頃、非常勤講師候補者に対し、「非常勤講師の委嘱について(依頼)」と題する依頼文書および承諾書を送付して、委嘱契約の申込みを行っていた。この依頼文書には、担当科目、開講学期、曜日、時限、時間数および委嘱期間が記載されていた。これに先立ち、Yは、毎年2月、非常勤講師候補者に対して、学生に対して授業の方法、内容、一年間の授業計画をあらかじめ明示するシラバスの作成を依頼していた。シラバスに記載する主な項目は同じ科目を担当する教員の間で統一されており、使用するテキストもY大学の常勤教員が執筆したテキストを使用することとされていた。成績評価については、Yが配布する「授業ガイド」において、成績評価の方法・基準が定められていた。¶002