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事実

昭和46年生まれのX(原告)は、平成29年2月14日(以下「本件裁定請求日」という)、厚生労働大臣に対し、自身が20歳に到達した日より前に初診日がある傷病(1型糖尿病)により障害の状態にあるとして、20歳前事後重症の障害基礎年金の支給を求める旨の裁定請求(以下「本件裁定請求」という)をした。¶001

厚生労働大臣は、Xに対し、同年3月31日付けで、本件裁定請求日におけるXの障害の状態は障害年金1級又は2級の対象となる障害(国年法施行令別表)に該当しないものとして、障害基礎年金を支給しない旨の決定(以下「本件処分」という)をした。なお、国民年金・厚生年金保険障害認定基準(平成14年3月15日庁保発第12号。ただし、平成28年6月1日改正を最後の改正とするもの。以下「本件認定基準」という)は、糖尿病による障害について、概要、Ⅰ①内因性のインスリンの分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値が0.3ng/mL未満を示すもの、②意識障害を伴う重症低血糖の所見が平均して月1回以上あるもの、③インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上あるもの(Ⅰ①~③の基準を「3つの指標」という)のいずれか1つに該当し、かつ、Ⅱ一般状態区分表のウ(歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの)又はイ(軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの)に該当するものを3級としつつ、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては更に上位等級に認定するものとしているが、2級及び1級該当性を判定するための具体的指標を示していない。¶002