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事実

本評釈では、損害賠償請求事件(乙事件)については言及しない。¶001

甲事件原告X(昭和40年生)は、平成26年3月10日から訴外A社と期間の定めのない営業職の雇用契約(以下「本件雇用契約」)を締結していた者である。¶002

A社は、平成14年設立されたセキュリティに関する機器の開発及び販売などを目的とする株式会社である。甲事件被告Y1社は、平成27年に、A社の事業のうちセキュリティに関する機器の販売等の事業を承継させる新設分割(以下「本件新設分割」)により設立された株式会社である(以下、A社、Y1社併せて「両社」ともいう)。甲事件被告Y2は、Y1社の設立時から、平成30年9月14日までの間、Y1社の代表取締役を務め、令和2年6月19日にY1社の取締役を辞任した者であり、Y1社の発行済み株式の過半数を保有していた。同人は、A社の設立時から、平成31年3月28日に辞任するまで、同社の代表取締役を務めていた。なお、A社には、平成29年11月に訴外G社も新設分割している。¶003