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Ⅰ はじめに
芸能活動者については、マネジメント会社や劇団などとの専属マネジメント契約や専属出演契約などが労働契約法(以下、「労契法」)や労働基準法(以下、「労基法」)にいう労働契約関係であるかどうかが争われることがある。¶001
たとえば、労働契約性が肯定されたものとしては、吹奏楽団員の専属演奏契約に関して労働契約性が肯定され、労働法上の雇止め規制が適用された例(チボリ・ジャパン事件)1)、契約期間を10年とする芸能プロダクションとの専属マネジメント契約について労働契約性が肯定されて1年に短縮された例(スター芸能企画事件)2)、芸能マネジメント会社との専属芸術家契約が労働契約であるとされて最低賃金法に基づく最低賃金額の支払が肯定された例(J社ほか1社事件)3)、芸能マネジメント会社との専属マネジメント契約が労働契約であるとされ当該専属マネジメント契約における違約金条項が労基法16条に反するとされた例(ファーストシンク事件)4)、劇団と劇団員の入団契約について労働契約性が肯定されて最低賃金額の支払が認められた例(エアースタジオ事件)5)などである。¶002