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事実

本件は、アルコール依存等にり患している対象者について、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「医療観察法」という)による入院決定をした原々決定を取り消した原決定に対し、検察官が再抗告を申し立てた事案である。¶001

対象者は、同棲相手の腹部を包丁で突き刺し傷害を負わせた行為(以下「本件行為」という)につき傷害罪で起訴され、本件行為当時、代謝性脳症による意識障害及び飲酒によるアルコール酩酊などのため心神耗弱の状態にあったと認定されて、執行猶予付き判決を受け、検察官が、同法33条1項の申立てをした。¶002