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事実

札幌中央労働基準監督署長は、X(原告・控訴人・被上告人)に使用されて業務に従事していたZに対し、労働者災害補償保険法(令和2年法律第14号による改正前のもの。以下「労災保険法」という)に基づき、Zが業務に起因して疾病にり患したことを理由として、療養補償給付等の各支給決定(以下「本件各処分」という)をした。¶001

本件は、Xが、Y(国。被告・被控訴人・上告人)を相手に、本件各処分の取消しを求める事案であり、労働保険料について、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(平成28年法律第17号による改正前のもの。以下「徴収法」という)12条3項の規定する、いわゆるメリット制の適用を受ける事業(以下「特定事業」という)の事業主が当該特定事業についてされた労災保険法の規定による業務災害に関する保険給付(以下「労災保険給付」という)の支給決定(以下「労災支給処分」という)の取消訴訟の原告適格を有するか否かが問題となった。¶002