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事実
Ⅰ
本件は、被告人が、平成30年11月6日から翌年3月6日までの間に行った住居侵入、窃盗等5件が常習特殊窃盗罪に問われた事案である。¶001
被告人は、平成30年2月に行った住居侵入、窃盗(以下「前訴事件」ともいう)で同年5月に起訴され、同年7月に有罪の第1審判決を受け、控訴及び上告が棄却されて平成31年3月21日に同判決は確定した(以下、前訴事件に係る刑事訴訟手続を「前訴」ともいう)。本件各事件(以下「後訴事件」ともいう)は、いずれも、前訴の第1審判決後、その確定前に行われたものである。前訴の確定後、後訴事件が順次起訴され、常習特殊窃盗罪に訴因変更された(以下、本件刑事訴訟手続を「後訴」ともいう)。前訴事件は、仮に前訴の手続がなく、常習性が認められれば、後訴事件とともに常習特殊窃盗一罪を構成し得る関係にあった。¶002