事実 

Ⅰ 事案の概要 

本件は、インサイダー取引に係る情報伝達の事案である。金融商品取引法(以下「金商法」という)197条の2第15号、167条の2第2項は、同法167条1項の公開買付者等関係者であって、公開買付け等の実施に関する事実を同項各号に定めるところにより知ったものが、他人に対し、当該事実の公表前に、当該公開買付け等に係る株券等に係る買付け等をさせることにより当該他人に利益を得させる目的をもって当該事実を伝達し、当該他人が公表前に当該株券等に係る買付け等をした場合には、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するとしている。金商法167条1項6号(4号)は、公開買付者等と契約を締結するなどしている法人の他の役員等(「役員等」の意義については同法166条1項1号参照)が当該契約の締結等に関し公開買付け等の実施に関する事実を知った場合における当該法人の役員等を公開買付者等関係者とし、当該事実を「その者の職務に関し知ったとき」と規定している。