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 事実の概要 

生命保険業等を行うY(被告・被控訴人=控訴人)は、過半数組合Aとの間で賃金控除に関する労使協定を締結し、Yの営業活動で使用する、提案書・申込書等の印刷費(平成31年1月から無償)、携帯端末の使用料(平成30年7月から無償)、ロゴ入り販促品代等の費用(まとめて「本件費用」)を営業職員の毎月の賃金から控除していた。なお、Yの当時の就業規則に賃金控除に関する定めはなかった。¶001

Yで営業職員として従事するX(原告・控訴人=被控訴人)は、Yから営業職員が営業活動費を負担する旨説明を受け、平成5年3月1日、Yとの間で雇用契約を締結し、まもなくその旨を記載した冊子も交付された。Xは、同日から平成30年11月まで、異議なく本件費用に係る物品等の注文を続けたが、同月、Yに対し、平成31年1月以降の賃金控除に異議を述べた。¶002