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 事実の概要 

本件は、氏名不詳者が電子計算機使用詐欺により取得した暗号資産について、被告人が情を知りながら、代表取締役を務める被告会社の業務に関し、ダークウェブに開設された交換所で購入する方法により収受したという犯罪収益等収受罪の事案である(「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」〔以下、「組織的犯罪処罰法」という〕11条・17条〔両罰規定〕)。¶001

第1審裁判所は、公訴事実どおりの犯罪事実を認定し、被告人と被告会社(以下、「被告人両名」という)から、被告会社が暗号資産交換所の運営会社に対して有する暗号資産の移転を目的とする債権を「金銭債権」として没収した(同法13条1項〔令和4年法律97号による改正前のもの〕)。¶002