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有斐閣Onlineでの憲法特集企画は、2023年・2024年に続き、3度目となる。その第1回は「違憲審査制の現在」であり、筆者は「はじめに」で、令和に入ってからの憲法に関する重要な司法判断に触れた。この特集から2年を待たず、最高裁大法廷による法令違憲判決のリストには、新たに、性同一性障害特例法事件(最大決令和5・10・25民集77巻7号1792頁)、旧優生保護法事件(最大判令和6・7・3民集78巻3号382頁)の2つが付け加わることになった。¶001

加えて、同性婚が法令上認められていないことについては、5つの高等裁判所が違憲判断を示しており、最高裁がどのような判断を示すかが注目されている。他方で2回の合憲判断(最大判平成27・12・16民集69巻8号2586頁、最大決令和3・6・23判時2501号3頁)が示されている夫婦同氏制についても新たな訴訟が提起されているほか、選択的夫婦別氏制の導入や通称使用の拡大等に関する立法の場での議論も盛んになりつつある。¶002