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Ⅰ はじめに

「身体の自由」は豊穣な内容を含んでおり、理念的倫理的な概念としても、法的な権利としても論じられる。「女性の身体の自由」論は従来の法学への批判も含んでいる。法的な権利に限っても、身体の移動の自由ないし逮捕監禁されないことを内容とする「人身の自由」と、身体への暴行傷害等を受けないことを内容とする「身体に対する権利」とは、密接に関連しつつも、やや異なるものといえよう(刑法上の犯罪類型も異なっている)1)¶001