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有斐閣法律用語辞典第5版
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有斐閣法律用語辞典第5版
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Ⅰ はじめに
1 労働契約に基づくサポート機能の不全
伝統的な日本型雇用の下では、期間の定めのない労働契約に基づく「雇用の安定」が、労働者に対する教育や技能、経験の蓄積の機会、キャリアの展開、家庭生活の必要に沿った報酬、さらには退職後の生活の安定等の基礎となってきた1)。期間の定めのない労働契約が、様々な法制度と結びつき、上記のような「サポート」を、事実的にも法的にも、実現してきたのである。¶001
ところが、職業生活の基礎となる契約自体が多様化(し多様な働き方が展開)してくると、そうしたサポート機能が発動しない事態が生じる。これは、たとえば、①スポットワークや②兼業・副業という形での労務提供(本稿では労働契約に基づくものに限定する)に関し、継続的な雇用を保障する2)解雇権濫用法理(労契16条)の適用を考えてみれば明らかである。①については、一定の仕事(飲食店での接客や食品の配達など)を継続的に行うとしても、労働者の有する時間軸には、間歇的に労働契約が点在するのみで、基本的には「解雇」は存在しない。②については、労働契約関係が少なくとも二重になっているため、やはり基礎となっている契約のあり方が伝統的に観念されてきたそれとは異なる。¶002
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新屋敷恵美子「『退職』『転職』を経ない労働者と職業の安定」ジュリスト1607号(2025年)36頁(YOLJ-J1607036)