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はじめに

本特集は、近年注目を集める「気候変動訴訟(Climate Change Litigation1))」に関する国際的動向を多角的に検討し、その法的・制度的意義を探究するものである。気候変動問題は、環境法のみならず人権、エネルギー、海洋といった他の国際法分野に関連し、また利害関係者(ステイクホルダー)も多様であることから、国際裁判所、地域的人権裁判所、国際人権機関、世界貿易機関(WTO)、投資仲裁、そして国内裁判所といった多くのフォーラムにおいて取り扱われている。本特集では、それらのうち、国際的フォーラムに焦点を絞り、気候変動問題について、どのような法的枠組みの下で解決に向けた試みを行っているのかを明らかにするとともに、それぞれのフォーラム間の連関や特徴的な課題を検討する。¶001