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Ⅰ はじめに
筆者に与えられた課題は、日本版DBS法(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律。以下「本法」又は「法」という)につき、憲法、とりわけプライバシーの観点から分析を行うことである。¶001
そうした観点からは、本法は、一見すると、粗雑なプロファイリングによって必要以上の犯罪歴情報を対象事業者(犯罪事実確認を義務付けられる者を指す〔法33条1項〕)に提供しているように見える。仮に、法務省から提供された刑事確定記録をこども家庭庁においてAIにより精緻に分析し、こどもに対する性犯罪の再犯可能性を信頼できる形でスコア化することが可能だとすれば、要注意人物だとして対象事業者に情報提供される者の数は減少するのではないか。¶002