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事実
X(原告)は、海運業等を目的とするパナマの現地法人であり、Y(被告)は、非鉄金属の販売業などを目的とするスイスの現地法人である。Yは、その完全子会社であり東京に本店を置く訴外Aに対し、非鉄金属の輸出販売にかかる売掛債権を有している。¶001
Xは、〔1〕Yが、ISOの定める船舶燃料の基準を満たさない船舶用燃料油(以下「本件燃料油」という)を製造・販売したこと、〔2〕仮に、Y自らは本件燃料油の製造・販売に直接携わっていないとしても、Yの子会社(訴外B)が本件燃料油を製造・販売したことにより、本件燃料油を使用したX所有の貨物船(以下「本件貨物船」という)がハワイ沖で故障して航行不能となり(以下「本件事故」という)、えい航費用等の損害を被ったと主張して、Yに対し、不法行為に基づき、損害賠償及び遅延損害金の支払を求めた。¶002