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事実

原告X(日本国籍)は、被告Y(イタリア共和国外務・国際協力省)が我が国におけるイタリアの文化の普及等を目的とする非営利機関として開設したA会館(以下「本件会館」という。なお、東京に本館、大阪に分館がある)の職員として、Yに試用期間付きで採用された。Xは、東京本館館長との間で、平成26年6月30日、「現地法に規定される契約書」又は「現地採用職員の契約」と題する書面(以下「本件契約書」という。また、本件契約書に係るXY間の契約を「本件契約」という)を取り交わし、同年9月25日から大阪分館において、現地採用職員としての勤務を開始した。本件契約書の序文には、共和国大統領令第18号第2部第6編等及び日本の労働基準法等に従ってXを採用すること等の記載があり、当該大統領令154条には、「本編で明白に規制されていない点について契約は現地法規の規制を受ける。一般的な慣習国際法の規範に定める内容を有効とし、本規定の適用から生じ得る係争を解消する場合の管轄裁判所は現地裁判所とする」と定められている。¶001