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事実の概要
X(日本国民─原告)は、Y(イタリア共和国外務・国際協力省─被告)と契約を締結し(以下「本件契約」とする)、Yが日本で開設しているイタリア文化会館の契約職員として、試用期間付きで採用された。当該契約に適用される大統領令は、「契約職員」は、9か月の試用期間後、職場の長の報告書に基づき「契約の確定又は解除」が決定されると定める。試用期間満了時、YはXを本採用しないことを決定した。¶001
Xは、XとYとの間の法律関係は労働契約関係で、YによるXの本採用拒否は解雇に当たるところ、これが無効であると主張して、Yに対し、労働契約に基づき、①Xが労働契約上の権利を有する地位にあることの確認、②解雇後の賃金およびその遅延損害金の支払い、ならびに③時間外労働に係る未払割増賃金およびその遅延損害金の支払いを求め、訴えを提起した。以下、①②を併せて「本件地位確認等請求」、③を「本件残業代請求」という。¶002