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私たちが消費者として商品・サービスを選択する際に重要なのがパッケージや広告などの表示であり、それが故に、その信頼を揺るがす虚偽・誇大表示に対する行政処分は大きく報道され、その商品だけでなく、企業のレピュテーションをも毀損する。このため、多くの企業にとって、景品表示法の遵守はコンプライアンス上の重要課題となっている(はずである)。¶001

このような実務上のニーズから、景品表示法の解説書は、執行当局者や弁護士という実務家の手になるものがほとんどである。本書もその系譜に属するものだが、単なる実務上の論点・留意点の解説ではなく、「法律要件から導く論点整理」という副題のように、条文を法律要件に解きほぐし、各要件の関係や要件から導かれる論点を論理的に説明しているところに特徴がある。例えば、不当表示の禁止規定(5条)における「不当表示」について、表示の定義規定(2条4項)との関係から、実務上検討すべき点を絞り込んでおり(16頁以下)、初めて景品表示法に接する者の条文理解に資すると思われる。¶002