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Ⅰ はじめに

2024年5月10日、経済安全保障分野の重要情報について、政府が取扱者に対してセキュリティ・クリアランス(以下「SC」)を付与する「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」(令和6年法律第27号。以下「本法」)が成立した。¶001

既存のSC制度としては、特定秘密保護法(以下「特秘法」)が存在する。しかし、日本の経済安全保障上重要な情報を的確に保護し、民間事業者を含めた幅広い主体による活用が可能な体制を確立するため、2023年2月から有識者会議で新しいSC制度創設の検討が進められてきた。2024年1月19日には当該有識者会議の成果として、SC制度に関する提言(以下「最終とりまとめ」)が公表された。この最終とりまとめを受け、本法の法律案が作成され、同年2月27日に閣議決定の上、第213回国会で成立に至った。¶002