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Ⅰ 序

地方自治の究極の目標とされる民主主義原理に基づく住民自治に対し1)、団体自治は、自由主義原理に基づき、国家と個人の間に地方公共団体という中間団体を設けること――いわゆる垂直的権力分立――によって個人の自由を守るものとして意味付けられてきた。公権力対個人という近代法的なこの構図に対し、国家の内部を切り離し、国と地方公共団体を独立主体間の関係として設計するために“法治主義”原理を導入したことに、第一次地方分権改革の大きな意義がある。国地方関係の法化を基本理念として係争処理手続は設計された。¶001