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※本稿は、砂原庸介「第11章 圏域・自治体間連携」北山俊哉=稲継裕昭編『テキストブック地方自治〔第3版〕』(東洋経済新報社、2021年)194頁~211頁をもとに、その内容を再構成し加筆するかたちで執筆されている。¶001
Ⅰ なぜ地方自治体は連携するのか?
1 自治体の領域を超える公共サービス
第一次地方分権改革から20年以上が経過し、人口減少に直面する地方自治体は、それぞれが住民に対して以前と同様の公共サービスを提供することが難しくなっていくと予想されている。そのような中で、限りある資源を有効に活用するために、複数の地方自治体間で連携して公共サービスを提供することが重視されている。とりわけ2010年代以降、このような地方自治体間の連携を促す制度の整備は進められているが、実際の連携は、必ずしも期待されているほど進んでいるとは言えない状況にある。¶002