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事実の概要
本稿では、本件の争点のうち各更正処分等の適法性に絞って論じる。事実についても、これに関係するところに絞って述べる。¶001
特例民法法人であったX(原告)は、平成23年2月3日に一般財団法人へと移行した。特例民法法人は公益法人等(法人税法〔以下「法」という〕2条6号、別表第二)とみなされており(平成20年法律23号附則10条1項)、一般財団法人は非営利型法人に該当するものを除いて普通法人である(法2条9号)。Xは、一般財団法人への移行前から非収益事業に属する資産として有価証券を保有していたが、移行に伴い、平成22年4月1日および平成23年2月2日付けの会計処理として、評価損を計上している。その後、Xは、平成25年から平成27年にかけて、当該有価証券を有償で譲渡した。¶002