FONT SIZE
S
M
L

 事実の概要 

平成30年7月豪雨により高梁川水系小田川が氾濫し、岡山県倉敷市真備地区で浸水被害が発生した。住民32名(Xら。原告・抗告人・相手方)が令和2年4月、国、岡山県、倉敷市、中国電力の4者に対し、合計6億4267万4950円の損害賠償請求訴訟を提起するにあたり、訴訟上の救助の申立てをした。¶001

原々審は、Xらは民事訴訟法82条1項本文に規定する要件を欠くことを理由として申立てを却下し、Xらが即時抗告をした。これに対して原審は、各共同原告の請求の価額を合算したものを訴額とする場合、各原告は合算した訴額(合算訴額)を基礎として算出される訴え提起の手数料の全額を各自納める義務を負うから、訴え提起の手数料につき訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、各原告につき上記全額であり、そうすると民事訴訟法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、いずれの原告についても、上記全額であるとして、原々決定を取り消し、原々審に差し戻す旨の決定をした(広島高岡山支決令和4・10・7〔令3(ラ)35号〕)。Y(国─抗告人)から許可抗告の申立てがあり、これが許可された。¶002