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はじめに
1990年代からの統治構造改革は、主として内閣機能の強化を目指し、統治構造全体を改革するものであった。公務員制度も、その例外ではなく、とりわけ、内閣の人事機能の強化を目的とする改革により、課題を残しつつも大きく変容することとなった。とはいえ、公務員制度は、しばしば政治的な議論の対象ともなってきたのであり、その結果として、内閣の人事機能の強化に関するものの他にも、様々な改革がなされることとなった。¶001
内閣機能の強化を目指した1990年代からの統治構造改革は、内閣の人事機能の強化をはじめ、公務員制度にも大きな変容をもたらした。憲法学においては、こうした内閣の人事機能の強化について、憲法上の基礎を有すると考えることもできるが、官僚による専門性に基づくチェックを恣意的な人事によって機能不全に陥らせている点で課題があると考えることもできる。本稿では、主として、この課題の克服に向けた若干の検討を試みる。
1990年代からの統治構造改革は、主として内閣機能の強化を目指し、統治構造全体を改革するものであった。公務員制度も、その例外ではなく、とりわけ、内閣の人事機能の強化を目的とする改革により、課題を残しつつも大きく変容することとなった。とはいえ、公務員制度は、しばしば政治的な議論の対象ともなってきたのであり、その結果として、内閣の人事機能の強化に関するものの他にも、様々な改革がなされることとなった。¶001