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はじめに

内閣から独立した行政機関ないし行政組織、これが本稿に与えられたテーマである。憲法に直接の根拠を有する独立の行政機関として、会計検査院が挙げられる1)。また、同じく「独立性」に光を当てる文脈において、(これは行政機関とは言いがたいけれども)日本銀行に論及されることもある2)。他方、機構上は独立どころか内閣に置かれた内閣補助部局の一角を占めながらも3)、ときに内閣からの独立性が話題にのぼる組織として、内閣法制局が想起される4)。もとよりこれらの機関ないし組織のすべてを詳細な考察に付することは、筆者の手に余る。「統治構造改革30年」という本特集の趣旨に照らして、あるいは「財政・金融」に関しては別の論攷が予定されていることを踏まえて、本稿ではもっぱら行政委員会に論究の焦点が絞られる。¶001