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はじめに

本特集において筆者に与えられたテーマは、「国立大学法人化」である。「統治構造改革30年」と題する本特集の中で、このテーマは少し浮いてみえるかもしれない。憲法学において、国立大学法人化は、何よりも学問の自由や大学の自治の問題として、統治機構論ではなく権利論の観点から検討されることが一般的だからである。けれども、国立大学法人化が学問の自由や大学の自治にもたらした影響を正確に見定めるためには、国立大学の「統治構造」に着目することが不可欠である。¶001