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はじめに

日本の成年後見制度は、精神上の障害により判断能力が不十分である者(本人)の保護のため、制限行為能力制度や法定代理権制度を定める。また、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」(2017年)は、最後の手段として最善の利益の判断を認める。これらの代行意思決定制度(substitute decision-making regimes)は、障害者権利条約(以下、単に「条約」ということもある)の監視機関である障害者権利委員会(以下、単に「委員会」ということもある)の対日総括所見(2022年)1)において懸念や廃止勧告の対象となった。¶001