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捜査機関が、被告人を、その訴追の対象となっている犯罪事実について取り調べることの可否については、捜査機関による取調べの対象を「被疑者」とする刑訴法198条の文言、および、被告人の当事者たる地位や公判中心主義との抵触という点から議論があり、下級審の裁判例も分かれていた。本決定は、最高裁として、その問題に初めて答えたものである。
事案は、窃盗事件で起訴後勾留中の被告人が、第1回公判期日前に行われた検察官の取調べに対し自白し、これを録取した調書が有罪の証拠とされたというものである。最高裁は、被告人の取調べの違法を主張する上告を棄却し、次のように説示した。
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