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事実の概要
司法警察員から2回に分けて、少年による第1から第7までの合計7個の恐喝事件につき送致を受けた検察官が家庭裁判所にこれら7個の事件を送致したところ、家庭裁判所は、少年法20条1項に基づき、刑事処分相当として検察官送致決定を行ったにもかかわらず、その送致決定書には第2と第7の2つの恐喝の事実だけしか記載されていなかった。この決定によって事件の送致を受けた検察官は、少年法45条5号を前提に、第1から第6までの6個の恐喝と第7を詐欺事件として地方裁判所に公訴提起し、同地裁は全事実を認定して、この少年の被告人を1年以上2年以下の懲役刑に処する旨の有罪判決を言い渡した。この判決に対し、被告人側が事実誤認等を理由に控訴したところ、名古屋高等裁判所は控訴に理由がないと判示した上で、さらに職権をもって、検察官送致決定書に記載されていなかった、第1、第3~第6の事件についても原審が有罪とした点について次のような判示を行った。¶001