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事実の概要
本判決は、原略式命令の破棄を求める検事総長の非常上告(刑訴454条参照)を容れたものである。原略式命令に至る経過は、概ね、①家庭裁判所は、当時少年であった被告人に係る(ア)無免許運転および(イ)故意による通行禁止違反という2個の道路交通法違反事実について、刑事処分相当として検察官に送致した、②検察官において、(イ)事実について、これと同一性が認められる(イ)’過失による通行禁止違反に認定替えをした上、(ア)事実と併せて公訴を提起するとともに略式命令請求をした、③原裁判所は、(ア)事実と(イ)’事実とが併合罪の関係にあることを前提に、いずれも公訴事実どおりの事実を認定し、被告人を罰金20万7000円に処す旨の略式命令をし、この裁判は確定したというものである。当時における無免許運転((ア))の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金、故意による通行禁止違反((イ))の法定刑は3月以下の懲役または5万円以下の罰金、過失による通行禁止違反((イ)’)の法定刑は10万円以下の罰金であった。¶001