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Y(被告・控訴人・被上告人)が振り出した約束手形の被裏書人・所持人であるX(原告・被控訴人・上告人)が、手形金請求訴訟を提起したところ(前訴)、約束手形の振出日欄が白地であることを理由に請求棄却となった。Xは異議を申し立てたものの、これを取り下げ、請求棄却判決が確定した。その後、Xは上記白地部分を補充して、手形金の支払を求めて手形訴訟を再び提起したところ(後訴)、Y欠席のままXの請求認容判決がなされた(横浜地判昭和51・10・22民集〔参〕36巻3号511頁)。これに対しYが異議を申し立て、異議審(通常訴訟第一審―横浜地判昭和52・11・11同民集〔参〕514頁)は手形判決を認可した。Yが控訴。控訴審(東京高判昭和53・10・27同民集〔参〕515頁)は、白地部分補充前後の手形上の権利には連続性ないし同質性があり、前訴と後訴の訴訟物は同一であることから、白地手形補充権を前訴判決の既判力の基準時以前に行使しえない特段の事情がない限り、前訴判決の既判力は後訴に及ぶとして、第一審判決および手形判決を取り消した。Xが上告。

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