令和3年度の判例を概観するにあたって主に参照した資料は、判時2454号から2493号、および判タ1476号から1488号までである(必要に応じて裁判所ウェブサイト等も参照した)。ただし前年度までに紹介されていた裁判例は原則として割愛した。

Ⅰ 判決手続関係

1 裁判所

法律上の争訟  

新潟地判令和2・4・9(判時2487号75頁)は、宗教法人「エホバの証人」による排斥措置に対し、これを違法として損害賠償と当該措置の差止め(中止)を求めた信者の訴えに係る請求につき、宗教上の教義や信仰の内容に立ち入ることなく当該措置の効力の有無を判断することはできないとして、当該訴訟が裁判所法3条にいう「法律上の争訟」に当たらないとした事例である。