本欄では、2020(令和2)年11月1日から2021(令和3)年10月31日までに言い渡された民法関連裁判例を紹介する。

Ⅰ 民法総則

1 権利濫用

札幌高判令和3・5・28(LEX/DB 25590129)は、駅前土地を所有する原告が、同土地上に建物を所有する市を被告として、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。市は、建物の廃墟化を避けるため再開発を計画しており、関係権利者らに建物および敷地の寄附を呼びかけていたが、原告のみこれに応じなかった。判決では、原告が寄附に応じないからといって、直ちに本件請求が権利濫用に当たるものではないとして、請求を認容した。