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事実
X1・X2(原告)は、ともに公認会計士である。X1は、平成18年に300万円を出資してA監査法人(承継前被告)の社員となり、平成23年に200万円を追加出資した。X2は、平成24年に300万円を出資してAの社員となった。Aの定款には、脱退に伴う持分の払戻し及び持分払戻額の算定方法について、明確かつ具体的な定めがなかった。¶001
Xらは、平成29年4月4日までに、遅くとも同年6月末日にAを退社して持分払戻請求をする旨を明らかにしたところ、それを認識したAは、出資金額が持分払戻額となる定款変更を審議する臨時社員会を招集した。そこでXらは、自らの持分払戻請求権が制限されることを避けるために、定款変更前の同年4月19日にAを退社した。結局Xらは、出資金額と同額がAから払い戻されただけであったため(X1は500万円、X2は300万円)、持分比率に基づく差額の支払のほか、未払報酬の支払及びそれらに対する年6分の遅延利息の支払を求めて訴えを提起した。その後、Y監査法人(被告)がAを吸収合併し、被告の地位を承継した。¶002