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本書は、著者のこれまでの契約法研究も踏まえた建設工事契約に関する体系書である。建設工事を目的とする契約は民法上の請負契約と位置づけられるものの、これを規律する民法典の条文はわずかなものであるところ、本書では公共工事及び民間工事の請負契約約款をも素材として豊富な分析が行われている。また、建設工事契約を論ずるためには当事者間の契約関係(第2章から第5章まで)を考えるだけでは十分ではない。本書の叙述は建設工事共同企業体(第8章)や紛争処理手続(第9章)のほか履行確保・当事者の破産の扱い(第6章)、消費者保護(第7章)についても及ぶ。類書に比べても包括的に建設工事契約の諸問題を論ずるものであり、まさにこの分野について体系的な著作であるといえよう。¶001