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事実

Xら(原告。いずれも米国ニューヨーク州に在住する日本人)は、平成9年12月26日、ニューヨーク州において、ニューヨーク州法所定の婚姻の方式に従い婚姻(以下、「本件婚姻」という)を挙行した。その際、Xらは、夫婦が称する氏を定めておらず、婚姻後もそれぞれ生来の氏を引き続き称していた。平成30年6月6日、Xらは、千代田区長に対し、「婚姻後の夫婦の氏」欄の「夫の氏」と「妻の氏」のいずれにもレ点を付した婚姻の届書を提出したところ、民法750条及び戸籍法74条1号に違反していることを理由として不受理とする処分を受けた。そこで、XらはY(被告。国)に対して、主位的に、公法上の法律関係に関する確認の訴えとして、戸籍への記載によってXらが婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の確認を求め、予備的に、(1)憲法24条等に基づき、Yが作成する証明書の交付によってXらが婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の確認を求めるとともに、(2)外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について、婚姻関係を公証する規定を戸籍法に設けていない立法不作為は憲法24条に違反するなどと主張して、国家賠償法1条1項の規定に基づき、慰謝料各10万円の支払を求めた。¶001