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事実

Y社(被告)は損害保険代理業等を目的とする株式会社である。訴外A社はコンデンサの製造、販売等を目的とする東証一部上場会社であり、Y社株式8000株(議決権割合の3分の2に相当)を保有している。¶001

X(原告)はA社の創業者訴外C(以下「亡C」という)の妻であり、Cが亡くなった後にY社株式4000株(議決権割合の3分の1に相当)を遺産として承継した。¶002

Y社は、A社の関連会社である訴外B社(以下、A社及びその関連会社を併せて「A社グループ」という)との間で、平成16年から平成28年まで、次の取引①~③を行った(以下「本件各取引」という)。取引①:Y社が、帳簿価格約4352万円であったB社の土地を2億16万2400円で買った。取引②:Y社が、帳簿価格約7315万円であったB社の土地の地上権を2億1900万円で取得し、当該地上権の鑑定額と代金額の差額である1億4307万9000円をB社への寄付金として会計処理した。取引③:Y社が、長年赤字経営のB社に、無担保等の条件で合計1億5000万円を貸し付けた。¶003