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①事件/事実

本件は、被告人が、平成29年2月5日、福岡市内の飲食店において、被害者が飲酒酩酊のため抗拒不能であるのに乗じ、同人と性交をした、とされる準強姦(平成29年刑法改正後の準強制性交等)の事案である。¶001

第1審は、本件を公判前整理手続に付し、本件の争点は、①被害者が抗拒不能であったか、②被告人にその認識(以下「本件認識」という)があったかの2点であると確認し、被害者らの証人尋問及び被告人質問を実施した上で、①は認めたものの、②について本件認識がなかった旨を述べる被告人の公判供述の信用性は否定できないから、被告人に本件認識があったことには合理的な疑いが残るとして、被告人に無罪の言渡しをした(福岡地久留米支判平成31・3・12刑集75巻6号620頁)。¶002