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Ⅰ はじめに

2022年2月24日に戦端が切られた露ウ戦争が19世紀的な侵略戦争の再来であり、第二次世界大戦後の国際法秩序に対する重大な挑戦であるといわれて久しい。ロシアのウクライナ侵攻を侵略と認定しようとした安全保障理事会決議は、当事国であり常任理事国でもあるロシアの拒否権行使によって採択されることはなかったが、その後の緊急特別総会で採択された決議1)は本戦争を侵略と呼び、国連憲章2条4項違反を認定した。同決議に加えて、翌年2月23日に緊急特別総会において採択されたウクライナにおける包括的で公正な永続的平和のための決議2)も141か国という多数の賛成票を集めており3)、国際法秩序に対するロシアの挑戦に国際社会が集団的に立ち向かっている様子を確認することができる。¶001