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本書は、イギリス(イングランド)救貧法の形成期からその定着・改革期を経て現代的な所得保障法制の成立に至るイギリスの歴史(14世紀から20世紀)を題材に、現代の「生活保障システム」が形成されるに至った歴史的条件を明らかにしようとするものである。このイギリスの歴史研究によって、雇用を通じた稼得のみによって生活を維持する現代の「生活保障システム」は一つの歴史的構築物にすぎないこと(「生活保障システム」の相対化)とともに、その歴史的過程で「法」が生活保障システムの構築に重要な役割を果たしてきたこと(「生活保障システム法」の構想)が描き出されている。¶001