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事実の概要
⑴ Y1社(被告・被控訴人=控訴人)は、分譲住宅等の事業を営む株式会社で、Y2(同)はその代表取締役会長の任にある。X(原告・控訴人=被控訴人)は韓国籍を有する者で、平成14年以来、A社(後にY1社に吸収合併)との間で期間2か月の有期労働契約を締結し、自動更新されながら就労し続けていた。Y1社は平成25年から平成27年まで、新聞、雑誌、図書、パンフレット、ネット配信されている記事などの文書(文書①)を従業員に対して配布したが、それらには、中国、韓国、北朝鮮諸国を激しく攻撃する内容が含まれており、これらの国々を出自とする者に対して「死ねよ」「噓つき」「野生動物」などの暴言や、親中韓派とみなされる評論家に対して「反日」「売国奴」などの言葉を用いて誹謗するなど、政治的な特定の立場を固持する傾向の強いものであった。文書①は、Y1社の事務員が各従業員に手渡したり机上に置くなどして配布されたがこれに対する感想を提示することなどの指示を受けてはいなかった。¶001