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本欄では、令和3年11月1日から令和4年10月31日までに言い渡された商事法に関する裁判例のうち、重要と思われるものを紹介する(同期間以前に言い渡された下級審・同期間以後に言い渡された上級審の判決・決定に触れることもある)。なお、本欄では、公開会社(会社2条5号)でない株式会社を非公開会社という。¶001

Ⅰ 会社法

1 株式・新株予約権

東京地判令和4・2・15(金法2198号88頁)は、定款を作成しそれに署名する発起人の地位と設立時発行株式を引き受ける者の地位が当然に一体不可分であるということはできないこと、設立時発行株式の引受けも意思表示によりされるものであることに照らせば、一般私法上の法律行為の場合と同じく、単なる名義貸与者ではなく、真に引き受ける意思を持って株式を引き受けた者が、その株式を取得すると解するのが相当であることなどから、設立時発行株式についても、他人の承諾を得てその名義を用い株式を引き受けた場合においては、名義貸与者ではなく名義借用者がその株主となるとする最判昭和42・11・17(民集21巻9号2448頁)が妥当するとした。¶002